頚椎症・頚椎椎間板ヘルニア

neckbone
photo : Michael Dorausch : license

 

「この頚椎症の痺れには手術が必要なのだろうか?」
痛みや痺れにお悩みの多くの方の一番の不安だと思います。

当院では、これまでの経験から、多くの方の頚椎症の症状において早期に手術をする必要はないと考えます。

では、「これまで様々な治療や施術を受けたがあまり改善が見られなかった。それでも改善する可能性はあるのだろうか?」と思われるかもしれません。
これまで、どのような改善の術があるのかを藁をもすがる思いで調べ、良いと言われる様々な施術を受けてこられた方も多いことでしょう。

<プロフィールページ>でもご紹介しているように、私自身が過去にひどい神経痛に悩まされた患者として、ブロック注射から民間療法に至る様々な施術を藁をもすがる思いで受けていたので、お気持ちはすごくよくわかります。

 

頚椎症への3つのアプローチ

「具体的にどのような施術を行う必要があるのか?」
「なぜ、他院であまり改善が見られなかった症状が改善するのか?」

当院では以下の3つのポイントを同時に考慮することにより、慢性化した症状を改善に導くことを可能にしています。

  1. 頚椎の神経に対するアプローチ
  2. 脳における知覚に対するアプローチ
  3. 体質に対するアプローチ

これらのうち一つでも欠けてしまうと、症状の改善を導くことが難しくなってしまいます。

 

その前に、レントゲンやMRIではわからないこと

「レントゲンによる画像診断において骨と骨の間が狭くなっている、これが症状の原因だ、と言われました」
「MRIによる画像診断において椎間板が少し出ている、これが症状の原因だ、と言われました」

多くの方が整形外科でのレントゲンやMRIの画像診断の結果を元に、頚椎症の原因を語ってくださいます。
病院での画像診断の結果をCD-Rにて持参くださる方もいらっしゃいます。
将来の手術に対する不安を抱きながら、何とか改善できないかという思いで訪れてくださる方ばかりです。

しかし最近の研究結果により、画像のみで判断される「神経が圧迫されることによる痛み」という病態モデルが、必ずしも当てはまらないことが分かってきました。
それは、画像診断により外科的な手術を行ったとしても経過がよくない方が多く見られることや、 また症状がないにもかかわらず頚部の画像診断では加齢による変形が散見されることから、昨今の整形外科領域でも言われ始めてきました。

それは経験から得た見解と一致する部分でもあり、当院では、画像診断により頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアと診断された方々に対しても、独自のメソッドにて施術を行い効果をあげています。

 症状を起こしている頚椎周辺の神経周囲膜の過剰な興奮を抑制し、関連する筋膜や腱膜の癒着をリリースする治療によって、多くの頚椎症に関わる症状を改善することが可能です。

 

頚椎症への3つのアプローチ詳細

痛みや痺れの症状が実際にある限り、間接的な様々な原因因子を頼りに、症状の改善を導き出すことは可能です。
その実際の方法論が、先ほどご紹介した3つのポイントを押さえることに一致します。

症状の要点をご紹介します。

  1. 頚椎の神経に対するアプローチ
    痛みや痺れは、頚椎の神経自体に何らかの過敏性や機能障害が見られることがほとんどです。
    如何に効果的に、傷んでいる/過敏になっている神経繊維にアプローチできるのかが重要となります。
  2. 脳における知覚に対するアプローチ

    痛みと痺れが混在している様な慢性化した症状の場合、脳においての知覚が誤認識してしまっている場合があります。
    この知覚の誤認識の改善を施術の効果で説明すると、まずは痛みの軽減として施術効果が現れ、その後に痺れや違和感などの知覚に関する症状が改善していくという順で、臨床結果ではよく現れます。
    慢性化した症状は知覚に関する神経を歪ませてしまうため、修復にタイムラグが生じるというわけです。

  3. 体質に対するアプローチ

    特に頚椎症における注意点をあげると、やはり、ストレス、睡眠、姿勢が重要になってきます。
    ストレスや睡眠に対しては、東洋医学的なアプローチがとても有効です。
    そして姿勢に関しては、日常生活において首に負担の掛からない使い方や、鍼灸治療の際においても感覚を再学習するためロルフィングのエッセンスを導入することにより、効果をあげています。

 

当院の施術の特徴

<繊細な技術>
頚部の治療は特に繊細な技術を要します。 
どこへ、どの位の深さに、という針先の感覚を研ぎ澄ませることが何よりも大切です。
原因患部をどれだけ詳細に把握できるかという触診の感覚と、把握した患部への繊細な治療技術が求められます。
これまで多くの鍼を受けてきた患者様にも、「こんなに丁寧で繊細な鍼は受けたことがない」と言っていただけます。

<独特のパルスのリズム>
しびれとは神経に何らかの不具合が起きている状態です。
そして、神経の働きとは生理学的に考えるとニューロンの膜の電気的興奮です。
しびれがある部位への鍼灸パルスを用いた電気のリズムによるアプローチは、しびれ症状を呈している異常な神経の興奮を沈静化するように働きかけることができます。
様々なデータとこれまでの治験から導き出した効果的な電気リズムのパターンを用いることにより、痺れに対しても効果的な施術を行うことができます。 

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患部では症状が落ち着いているにもかかわらず、長年の痛みにより脳の中の痛みを感じるシステムが変性し(脳の可塑性)、痛みを過敏に感じ続けている場合があります。
これは、慢性症状になればなる程、痛みやしびれの改善にタイムラグが生じるということです。
その状態を「慢性痛」と名付け、患部の痛みに加えて、脳の痛みを感じるシステムの不具合を整える必要性が明らかになっています。
当院独自のツボを組み合わせた治療を用い、脳の中の痛みを感じるシステムにも働きかけることにより、過敏に感じている痛みを鎮静させる効果もあります。

 

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施術期間の目安は?

「施術のポイントは分かったが、施術期間や回数などの目安はどれくらいのなの?」

これは症状や体質に個人差があるため明言はできませんが、これまでの経験からの平均的な施術期間は以下のとおりです。

軽度:1ヶ月強、3−4回の施術

中度:2〜3ヶ月、5−8回の施術

重度:3ヶ月〜、8回〜
※膀胱直腸障害や他の障害がある場合は手術をお勧めさせていただく場合もあります。

 

人生を諦める前に

常にある慢性症状や、1日の中でも波のある症状には、常に意識が痛みに向かうことになり翻弄されてしまいます。
この症状さえなければ、好きなゴルフができるのに。長期の旅行ができるのに。
これまでできていた当たり前のことが制限されてしまうことほど、辛いことはありません。

痛みや痺れは、生活の質を著しく低下させてしまいます。
当院では、特に頚椎症などの神経痛に対する病態に積極的に取り組んでいます。

まずはご相談ご相談ください。

 

以下は、頚椎症についての基本的な説明です。

 

頚椎症とは

頚椎やその周囲の組織に異常があり、首の痛みや肩こり、手のしびれなどが症状としてあげられます。
頚椎症は主に、変形性頚椎症頚椎症性神経根症頚椎症性脊髄症の3つに分類することができます。

変形性頚椎症の原因と症状

加齢による頚椎の変形が主な原因にあげられます。
また、近年ではパソコンやスマートフォンなどによる姿勢の悪さによって、若くして頚椎の変形が進んでしまうこともあります。
頚椎の変形が元になり、頚椎の間のクッションである椎間板に歪みがでたり、頚の骨がとげ状に大きくなる骨棘(こつきょく)を形成することで症状が起こると考えられています。
その症状は、一般的に頚部痛や肩こりなどの局所症状だけで、手足の痺れなどの神経症状を伴わないとされています。

頚椎症性神経根症の原因と症状

頚椎症性神経根症は、変形性頚椎症に加え、頚椎を通る神経根が圧迫されるもので、その症状として、頚、肩、手指にかけての痛みや痺れ、脱力感(力が入りにくい)や感覚異常があり、主に片側にのみ表れるとされています。

頚椎症性脊髄症の原因と症状

頚椎症性脊髄症は、変形性頚椎症に加えて、脊柱管にある脊髄が圧迫されるもので、頚、肩にかけての痛みしびれに加え、 四肢(両方の手足)の痛みや痺れ、 手指の巧緻障害(ボタンを掛ける、箸を使う、文字を書くなど手先の細かい作業が不自由になる) 、歩行障害(階段を降りるときに脚がふらついてしまい、手すりを使わなければ歩けなくなる) 、膀胱直腸障害(尿や便が出にくくなったり、あるいはもれ出てしまったりする)なども症状の進行により見られます。 

頚椎症性脊髄症が進行し上記の様な症状が出ている場合には、鍼灸治療ではなく手術が第一の選択肢になる場合があります。

 

頚椎椎間板ヘルニアとは

頚には骨が7つあり、骨と骨との間には椎間板と呼ばれるクッションがあります。
椎間板は衝撃を吸収するクッションの様な役割を担っており、この椎間板の中の髄核が飛び出すことを椎間板ヘルニアといいます。

頚椎椎間板ヘルニアの原因と症状

頚椎症は加齢による頚椎の変形が主な原因とされていますが、 頚椎椎間板ヘルニアは 20-50 代の若い世代にもよくみられます。
あるひとつの原因で起きるわけではなく、加齢による椎間板の変形や、猫背などの姿勢の悪さ、激しいスポーツなど、様々な因子が複合して発症すると考えられています。
症状は、飛び出した椎間板が神経根もしくは脊髄をどの程度圧迫しているかによって、大きく二つに分けられます。

  1. 神経根の圧迫による片側の症状
    頚から肩にかけての痛みや腕から手指にかけてのしびれが見られます。上を見上げる動作や咳・くしゃみで症状が強くなることがあります。
  2. 脊髄の圧迫による症状
    四肢(両方の手足)の痛みやしびれ、手指の巧緻障害、歩行障害、膀胱直腸障害がみられます。 

頚椎症と同様に、頚椎椎間板ヘルニアに関しても、脊髄の圧迫により手指の巧緻障害や歩行障害や膀胱直腸障害の様な症状が出ている場合には、鍼灸治療ではなく手術が第一の選択肢になる場合があります。


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